「YOKOHAMA BASHAMICHI
COFFEE MILK STOUT」
ともに横浜の馬車道にルーツを持つ『キャラバンコーヒー』と『横浜ビール』、昨年に引き続き、2回目となるコーヒービールを共同開発いたしました。
2回目となる今回、さまざまなアイデアが行き交う打ち合わせを重ねる中で、農林水産省から注意喚起のあったアルコールとカフェイン同時摂取のリスクを避ける観点から、「カフェインレスコーヒー」を使用したコーヒービールにチャレンジすることを決定し、キャラバンコーヒーで味わいや個性の異なるカフェインレスコーヒー豆3種を用意し、横浜ビールチームとともに試飲を実施、最終的に、メキシコマウンテンウォータープロセスというコーヒー本来の味を残しつつ美味しさを実現する「水抽出法」でカフェインを97%除去したコロンビアの最高グレード「エクセルソスプレモ」を、深いコクと苦み、適度な酸味が調和した味わいが引き立つシティローストで仕上げた「コロンビアカフェインレス」を選択しました。
濃厚なコクとクリーミーでまろやかな「ミルクスタウト」の味わいをぜひお楽しみください!
【キャラバンコーヒーのカフェインレスコーヒーについて】
一般的にあまり美味しくないという印象を持たれがちな「カフェインレスコーヒー」ですが、キャラバンコーヒーの「カフェインレスコーヒー」は、独自の風味が表現され、「美味しいカフェインレスコーヒー」という評価をいただいています。
その理由は、デカフェ生豆は通常より黒色が濃いため焙煎度を見極めるのが難しいのですが、卓越した焙煎技術で適切な焙煎度合いになるよう人の目で正確に煎り上げて、歴史あるキャラバンコーヒーの味覚を創り上げるため、丁寧に整備した昔ながらの焙煎機を使用しているので、その焙煎機が独特のロースト香を醸し出し、独自の風味が表現されているためです。
コーヒーの香りと味わい、チョコレートやキャラメルのような香り、優しい甘さと香ばしいフレーバーを感じるビールです。
濃厚なコクとクリーミーでまろやかな味わいをぜひ楽しんでください。
キャラバンコーヒーと横浜ビールは共に馬車道生まれ。ボトルラベルは過去から現在、未来へ続いていく馬車道の景色をイメージしてデザインしました。
造り手
横浜ビール ヘッドブルワー 加藤 和樹
1990年福島県生まれ。
2013~2014年にオーストラリアに語学留学していた際に飲んだビールに衝撃を受ける。帰国後、日本にもクラフトビール文化があると知り、横浜ビールのペールエールを飲み感動。
2015年に横浜ビールに入社して1年半キッチン・ホール業務を経て、2016年に醸造チームへ。2023年に醸造長就任。コーヒーは好きです。月に2~3回カフェなど利用しています。
キャラバンコーヒー ブレンダー 宮下 敦
1980年千葉県生まれ。
当時はまだ珍しかったバリスタのコーヒーを飲み、その味や所作の素晴らしさに感銘を受け、コーヒーの道を志す。2015 年にキャラバンコーヒー入社。
横浜2店舗のスタッフ業務を1年半経験し、2016 年に横浜焙煎工場の品質管理担当へ。現在は商品開発にも携わり、キャラバンコーヒーで生み出されるブレンドの設計を担っている。一日一本飲むほどビールが好きで、さっぱりしたライトな味わいをよく飲みます。
開発秘話
語り手:横浜ビール ヘッドブルワー 加藤 和樹氏(聞き手:キャラバンコーヒー)
実は、昨年のコラボレーションがひと段落した頃から構想がありました。前回は淡色のビールにコーヒー豆を投入する事によって綺麗なアロマや味わいが表現できると考え淡色ビールにしました。また見た目からの香りや味わいのインパクトを楽しんでいただきたいという思いで「MOTOMACHI BLEND GOLDEN ALE」を醸造しました。今回は、私が考えるコーヒービールの王道“濃色ビール”でコーヒーを表現しようと考えていました。前回のコラボレーション時に試飲した他のコーヒー豆のキャラクターを覚えていたので、色々と構想しており、コーヒーの香ばしい香りやコクが“濃色ビール”からくる香ばしさやチョコレート感などと相性がとても良いと思っていました。
構想段階で考えていたコーヒー豆と今回醸造するスタイルとの相性がとても良いだろうと考えていたので「ミルクスタウト」にしようと思っていました。「ミルクスタウト」というスタイルは、日本で馴染みがあるギネススタウトとは少しキャラクターが異なるスタウトビールです。ギネススタウトはドライな味わいであるのに対して「ミルクスタウト」はボデイ感があって少し甘みを感じるビールです。甘いと言っても飲みにくい味わいではなくて優しい甘さなので、お食事やデザートにも合うと思います。構想段階でのコーヒー豆のキャラクターは、キャラメル感やコクや甘さが、この「ミルクスタウト」と相性が良いと考えていました。ちなみに「ミルクスタウト」のミルクというのは、乳糖からきていて、原料に乳糖を使用するのですが、ここからくる甘さはくどくなくて優しい甘さです。また、乳糖というのは酵母が麦汁をアルコール発酵してくれる際、酵母が食べられない糖ですので、発酵終わりにも残る糖分になります。
正直始めは戸惑いましたが、私が知る限り“カフェインレスコーヒー”を使用したビールを聞いた事がなかったので、キャラバンチームとのミーティングやテイスティングを経て「カフェインレスコーヒー」で造るビールという新たな挑戦にワクワクしてきました。
今回のコラボレーションまでは飲んだことがなかったです。
「カフェインレスコーヒー」と聞くと、最初は味わいが薄いのかなとイメージしていたのですが、そんな事はなく、普段飲んでいるコーヒーと味わいや香りは変わらずとても美味しいと思いました。
今回のテイスティングで3種類のコーヒーを試飲し、中でも今回選んだコロンビア産コーヒーを飲み終わった後のカップの香りにキャラメル感があり「これだ!」と思ったのと、当初の構想でもキャラメル感を取り入れたかったので選びました。
まずはしっかりとした味わいの「ミルクスタウト」を造ります。ここで重要になってくるのが、私的にはモルトの構成です。今回はキャラクターの異なる5種類のモルトを組み合わせました。ベースとなるモルトにイギリスのモルト会社が生産しているマリスオッターというモルトを使用しました。このモルトの特徴は、ビスケットの様な香ばしさを持ち、わずかにナッツの様な風味もあります。そこへ甘さやボディを出すために2種類のクリスタルモルトを使用し、キャラメル感やダークフルーツ感を表現しました。さらにチョコレート感や香ばしさを出す為に、2種類の濃色モルトを使用します。ここまでだと、モルト感があり甘い味わいなのかなと感じると思いますが、ここでホップを加えて甘みと苦さのバランスをとります。そして「ミルクスタウト」の一番重要なミルクの部分に繋がる乳糖を使用し、優しい味わいの甘さをプラスします。しっかり発酵させたら、チョコレート感やキャラメル感があるしっかりとした味わいの「ミルクスタウト」ができます。しっかりとした味わいの「ミルクスタウト」ができたら、ここからが本番です。まだまだ気が抜けません!ここからは、キャラバンコーヒーで焙煎していただいたコーヒーを、豆のまま使用する分(これは主にコーヒーの香りを抽出するため)と粗挽きした粉で使用する分(こちらはコーヒーのフレーバーのため)に分け、熟成に入っている“ミルクスタウト”と合わせます。コーヒーを使用する際は新鮮さと時間が重要だと思っているので、合わせてから2~3日後には樽やボトルに詰めます。
コーヒーの香りやフレーバー、チョコレートやキャラメルの様な香りがあり、味わいの部分で優しい甘さと、香ばしさを感じるビールです。見た目が真っ黒な“濃色ビール”になり、優しい甘さとキャラバンコーヒーさんのコーヒーが加わり、これからの寒い季節、朝も夜も飲みたくなる様なビールになっているかと思います。
コーヒーのキャラクターと優しい味わいの甘さがあるので、チョコレートケーキやクッキーなどと相性抜群だと思います。サンドイッチなどにも合わせて飲むのも楽しいかと思います!これからの季節、息が白くなるような寒い日の休日の朝にコーヒーを飲んだ後の追いコーヒ代わりや、仕事終わりにほっと一息つく場面などに飲んでいただけたら嬉しいです。
ビールもコーヒーも本当に奥が深く、コラボレーションさせていただくたびに話やアイデアが尽きず、いつもとても刺激をいただいています。同じ横浜馬車道で生まれ、新たな価値を創生する同志として、これからも切磋琢磨しながらさらに良いものづくりを続けていければと感じました。横浜ビールさん、今回も本当にありがとうございました!
「横浜ビール」は、25年目のローカルビアカンパニーです。横浜・神奈川を拠点に、人と人を繋ぐクラフトビールを育んでいます。国際ビール大賞受賞歴多数。更なるビールのクオリティを追求中!また、日本一クラフトビールの醸造所が密集している“クラフトビアシティ”横浜を盛り上げるべく、クラフトビールの「ワクワク」を通じた街づくりに取り組んでいます。