キャラバンコーヒーの味の番人コーヒー鑑定士が守るこだわり

文明開化以降、海の玄関口として西洋文化を伝えてきた横浜。
そんな港町・横浜に1928年(昭和3年)、キャラバンコーヒーは誕生しました。
80年以上に渡り親しまれているコーヒーの味を作り、守っているのが、まだ日本では数少ないコーヒー鑑定士です。「コーヒーの味の番人」とも言える、コーヒー鑑定士。その仕事についてご紹介します。


コーヒーを知りつくしたプロフェッショナル コーヒー鑑定士

年間に60種類以上の豆を扱うキャラバンコーヒー。そのすべての味と香りを自分の舌で確かめているのが、生産管理部部長の小森谷です。小森谷はブラジルで修業を積み、コーヒー鑑定士(クラシフィカドール)の資格を取得したコーヒーのプロフェッショナル。扱うコーヒー豆の風味を自分の舌と鼻で厳しくチェックすることが主な仕事です。

「日本は世界でも有数のコーヒー消費国です。世界各国からコーヒー豆が集まってきますし、お客様の舌も肥えています。しかし、コーヒー豆は農産物ですから、国や農園ごとの特徴があるだけでなく、生産した年やロットごとでも味が異なります。その中で、いかにブレず、 “キャラバンコーヒーの味”を提供するかが大切なんです」

豆のキャラクターを見極める“カップテスト”とは

コーヒーづくりでもっとも重要なのが、豆の選定です。条件に合った豆を仕入れるため、「カップテスト」と呼ばれる方法で豆のチェックをおこないます。

「カップテストでは同じ豆を数回に分けて挽き、それぞれ別のカップに入れて熱湯を注いでから、香りと味、喉から鼻に抜ける香りに欠点がないかを確認します。また、焙煎の色は味に大きく影響するため、色も確認します。

重要なのは、キャラバンの味に合う豆かどうか。コーヒー豆には生産国ごとに『酸味が強い』『まろやかな苦味』など、それぞれキャラクター(特徴)があります。そうしたキャラクターがきちんと出ていて、なおかつそれがブレていない豆を使うことで、キャラバンらしい味を守っています」


カップテストの手順

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一方、豆のキャラクターが明確に出ていないものは、あまり使わないのだとか。ただ、そういった豆も、酸味や苦味を抑えるなど、味の調整役として使うために、他の豆と合わせることもあるそう。

その豆を使うのか、他の豆と組み合わせるのか。それを決めるのが、キャラバンコーヒーで扱うすべての豆を自分の舌でチェックしている小森谷なのです。

「コーヒー農園での精製加工時や輸送途中、保管時などに匂いがついてしまった豆などは使えませんので、仕入れの対象から外します。合わない豆、使えない豆を仕入れることがないよう、サンプルの段階でカップテストを行い、厳選するのです」

これらを判断するために、コーヒー鑑定士はあらゆる豆のキャラクターを頭と舌に叩き込んでいるそうです。


あらゆる豆の味を知って初めてできるコーヒーの“味づくり”

複数の豆を合わせて味をつくる「ブレンドコーヒー」。
その豆のブレンドも長年の経験と知識が要求される難易度の高い仕事です。

「豆のブレンドは、コーヒーの味作りをすること。和食のダシの扱いにとても似ている作業です。昆布と鰹節の合わせダシを作る時、それぞれの風味を知らないと、合わせた時の風味がイメージできませんよね。コーヒーの味づくりも、『この豆とあの豆をブレンドするとこんな味になる』とイメージできないとできません。

ですから、味の欠点を探すカップテストは半年ほどでできるようになりますが、ブレンドができるようになるには10年はかかるのです」

積み重ねてきた経験が変わらぬ味を守り続けていく

80年以上の歴史を持つキャラバンコーヒーでは、長年のファンも多く、30〜40年前の味を覚えている方や、昔からの風味を求めるお客様も多いのだとか。その要望に応えるのも、味をつくるコーヒー鑑定士の仕事なのです。

「何十年もお客様から愛されているブレンドがあることはキャラバンの誇りです。ただ、豆は農産物ですから、昔から使っていた豆が生産されなくなってしまうことがあります。それでも、その時々にある豆を使って、昔からのキャラバンコーヒーの味を守っていきたいですね」

多くのファンに支えられているコーヒーの味。それは、コーヒー鑑定士の鋭敏な舌と鼻、そしてあらゆる豆をテストした豊富な経験によって作られ、守られているのです。